ラストレシピ ‐麒麟の下の記憶‐
二回続けて、映画感想の記事だ。
今回はこちら。
「ラストレシピ ‐麒麟の下の記憶‐」
〈作品概要〉
1930年代の満州で、
天皇の料理版が考案した幻のフルコース。
歴史に消えたレシピの謎を追うのは、
どんな味でも再現できる、
絶対味覚=麒麟の舌を持つ料理人。
最後の一皿に隠された、壮大な愛とは?
※公式ホームページより
うるっときました(´;ω;`)。
以下ネタバレ注意
主人公の天才料理人である佐々木充(二宮和也)が、満州国にて作られた幻のフルコース「大日本帝国食菜全席」のレシピを再現してくれ、と依頼されるところから始まる。
しばらくは、作成の足跡をたどることになる。
過去の関係者が語る回想シーンが多くなるのね。
レシピ作成の中心人物は、山形直太朗(西島秀俊)。
苦労に苦労を重ねて、やっと完成したフルコース。
しかし、そのフルコースにはある陰謀が渦巻いていた……
料理がメインの映画だから、当たり前かもしれないが、
料理がおいしそう。
「大日本帝国食菜全席」を完成させるために、山形は試行錯誤していろいろな料理を作るんだけど、その描写がきれい。
また、山形のストイックさがすごいなーと思った。
124個(だっけ?)をいったんそろえてそこから吟味して、違うと思ったものはそぎ落とし、また新しく作る……という。
フルコース作成のために満州に呼ばれたとはいえ、あのシーンは引いちゃったよ(笑)
山形の料理人としてもプライドがにじみ出ていたね。
そんな苦労に苦労を重ねて完成させた「大日本帝国食菜全席」が、開戦の口実に使われるとは、なんと恐ろしい時代だろう。
山形が楊晴明(料理のアシスタントをしていた中国人)を助けたシーンはグッときたなあ。
その後、山形は自分を貫いて殺されてしまう。
あのシーンは痛々しくて、悲しい。
ただまあ、「何でこれ主人公に依頼されるの?」と途中誰もが思うよね。
そこでね、時代が進むにつれて、驚きの真実が明らかになるのね。
山形直太朗 = 佐々木充のおじいちゃんだったのである。
探していたレシピも、最終的には充のすごーく身近なところに保管してあった。
すべては料理への想いを失ってしまった充へ用意されていたシナリオだったのだ。
なんかこう書くと、充が踊らされてたみたいな感じになってしまうけど(笑)、感動しました。
文才ない自分を呪いたい。
レシピの最後を飾る料理が、自分の子供の大好物というのがまたいいよね。
料理は愛情、ってサイボーグクロちゃんのミーくんも言ってた。
最後に、気になった俳優陣を。
・楊晴明の人 普通の日本人なの?中国人演技うまい。
・竹ノ内豊 大日本帝国軍人なんだけど、何か怖かった。敗戦時に自決してたけど。
・綾野剛 ああいったワイルドなビジュアル似合うね。
・二宮和也 なんか毎回眉間にしわ寄せてるねえ。
上手く話が収束するし、心はほんわかする。
安定した作品でした。
満足、満足。
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