生きるって素晴らしい……のか?【「素晴らしきかな、人生」と「愚行録」】
本日は映画館をはしごして、二作品を鑑賞した。
「素晴らしきかな、人生」
と、
「愚行録」
だ。
前者はみんなが前に向かっていく作品、後者はみんなが最低な作品という、方向性が真逆だったな。
それぞれ軽く感想を書く。
ネタバレ注意!特に愚行録!
【素晴らしきかな、人生】
ほっこりする作品だった。
メインの登場人物が四人いて、みんな悩みを抱えているんだけど、最終的にそれぞれ決着をつけるんだよね。
そしてさらに三人、重要人物がいる。
「愛」、「時間」、「死」。
売れない舞台役者に頼んで、それぞれの概念を演じてもらうんだけど……
あの終わり方、三人は結局人間ではなかったのかねえ。
でもそのほうがいいなあ。
「死」が病院にいること、「時間」がアインシュタインうんぬんの説教垂れてたこと(生意気なこと言ってんな~って思った笑)に納得がいくもん。
というか、それぞれの悩みが「愛」、「時間」、「死」になっているのかな?
「愛」→娘との距離。
「時間」→子ども欲しいが時間がない。
「死」→子どもが生まれたのに、先が少ない。
あの女性が主人公の元妻とは、最後まで気付かなかった。
やけに親しくなっていくなー、とは思ったけど。
あの手紙も伏線だったのね。
ただ、僕はウィル・スミスに感情移入できなかったなあ……
子どもいないし、当然ではあるんだが。
加えて、主人公の前に現れた三人の正体が謎のまま話が進むものなのかと予告観た時に勝手に思ってたんだけども、前半であっさり分かってちょっとがっかりしちゃった。
【愚行録】
いやー、ほんとタイトル通りの内容だった。
愚行ばかりだよ。
物語は、場面が変わりながら進む。
殺人事件の真相を追う主人公が、その関係者に話を聞いていく、というのが主軸ではあるんだけども、被害者の学生時代、社会人時代、女性関係、修羅場とどんどん場面転換していく。
(;´Д`)<ついていくのが大変……
そんでもうみんなあかんのよ。
ある意味リアルなんだけども、登場人物が見事にクソ野郎ばっかり。
始まってすぐのバスのシーンで、「主人公性格わるっ!」って思ったけど、
あれが可愛くみえてくるとは……
男も女も関係なしにクソ。
まともなのは、弁護士さんくらいだわ。
殺された被害者家族さえ、同情が湧かなくなるくらい(笑)
主人公(妻夫木)の、関係者に向けるなんか冷めたような目線がよかった。
今思うと、あれも伏線なのかなあ。
HPに、「仕掛けられた三度の衝撃」って書いてあったから、どんな展開が……とワクワクしてたんだけど、確かに衝撃だったわ。
改めてネタバレ注意!!!
・主人公が、いきなり被害者の学友を殴り殺す。
・妹が、殺人事件のことを淡々としゃべり倒す(つまり妹が犯人)
・妹の子どもは、実の兄との間にできた子。
おそらくこの三つの事だろうなと思う。
個人的には1が一番衝撃だったけどね(笑)
ここから、物語が結に向かって大きく収束していった感じがする。
主人公と妹は境遇も可哀そうだった。
暴力と性的虐待を受けて育ったんだ。そりゃ考えも歪むよな……
妹は大学時代にもひどいことされたっぽいし。
あれは要するに、あの女の男友達?たちに○○されたということだよな……バスローブとかあからさまな演出だなオイ。
妹の身体を這いずる多数の手の描写って、つまりそれほどトラウマになってるということを表しているのかな。
殺人事件の動機も、興味深かった。
嫉妬・復讐ではなくて、劣等感からくる絶望なんだろうね。
ただ主人公が犯した殺人は、どこでスイッチが入ったのかな?
事件の真相に近づいていたから?妹をけなされたから?
像を持って淡々と近づいていく姿が、いい感じで狂気を醸し出していた。
【総括】
「素晴らしきかな、人生」
どんでん返しな展開はないけど、いろいろと考えて制作された映画だと感じた。
余談だけど、中学の英語の授業で観たクリスマスキャロルを思い出した。
気楽に観れる映画。
「愚行録」
この作品は、去年の「怒り」を思い出したね。
怒りも、多面的に物語が展開する話だったから。
これも妻夫木出てたし。役者ってすげえ。
鑑賞後の後味は最悪なので、
何回も観たいと思える作品ではない(笑)
でもどっちが好み?と聞かれたら、僕は「愚行録」です。
・どうでもいい追伸
初めて丸の内ピカデリーで鑑賞したので、
SMTメンバーズカードを作った。
現在所持している映画関係のカード
・TOHOシネマイレージカード
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